ドラマ「明日はもっと、いい日になる」心の居場所を求めて

ドラマ「明日はもっと、いい日になる」
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こんにちは。児童相談所を舞台にしたドラマ「明日はもっと、いい日になる」をご存知ですか?児童相談所で働く職員たちの奮闘を描いたヒューマンドラマです。今回はこのドラマを通して、ショートステイ里親制度の大切さについてお話しします。家庭で困難を抱える子どもたちにとって、ショートステイは単なる一時的な預かりではなく、心の避難所となる重要な役割を担っています。物語を通じて、子どもたちの心の声に耳を傾け、私たちができる支援について考えてみましょう。

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第4話 翼・夢乃の対峙、向日葵の涙のアフターケア あらすじ

※ここから先は、ドラマ「明日はもっと、いい日になる」のストーリーに触れています。ネタバレを避けたい方はご注意ください

どりむくん、リズムくんのその後

一時保護所で新しい生活を始めたどりむくんとりずむくん。他の子どもたちは各々の事情を抱えながらも明るく過ごしているが、どりむくんだけは心を閉ざしたまま、笑顔を見せることがない。そんなどりむくんを心配した心理士の向日葵は、「私と絵を描いてみない?」と優しく声をかけた。向日葵は誘い方から座る位置まで細心の注意を払い、どりむくんが参加しやすい雰囲気を丁寧に作り上げていく。

主人公たちが見守る中、どりむくんは楽しそうな絵を描いているように見えた。しかし、心理士の専門的な視点から見ると、その絵は深刻なメッセージを発していた。描かれた家にはドアがなく、窓は黒く塗りつぶされ、屋根が欠けている。向日葵は「家族の秘密を知られたくない気持ちが表れている。家庭環境が不安定な子どもが描く典型的な絵です」と分析した。さらに「表向きは問題なく見せたいけれど、自分の家庭が他と違うことは理解していて、誰にも知られたくないのだと思います」と、一枚の絵からどりむくんの複雑な心境を読み取るのだった。

乗り込んできた母親

そこへ「大変!大変!」と児童相談所の所長が慌てて駆け込んできた。「どりむくんのお母さんが夏井さんを訴えるって言ってます!」思いがけない知らせに職員たちは動揺した。以前、主人公の夏井がどりむくんの母親夢乃に「私たちが保護しなければりずむくんの命は危なかったかもしれません」と伝えたことが発端だった。夢乃はその言葉に深く傷つき、名誉毀損だと主張して弁護士を通じ慰謝料の支払いを求めてきたのだ。

児童相談所の職員は皆「りずむくんは本当に危険な状態だった」と認識していたが、蔵田先輩からも「言葉遣いには十分注意しないといけない」と指摘され、夏井は夢乃に謝罪することになった。謝罪の場で、主人公は誤解を招くような表現をしてしまったことを深く反省し、心から謝意を伝えた。すると夢乃は「裁判になると高額な費用がかかるんですね。私も感情的になりすぎていました。慰謝料のことは考え直します」と態度を軟化させ、一時保護の必要性にも理解を示した。そして「私自身も変わる努力をしようと思います」と前向きな言葉を口にしてくれた。

しかし、夢乃の態度が急変したことに主人公は違和感を覚えた。お金の話が出た途端に態度が変わったことから、他の児童福祉司たちは「もしかしてお金目的だったのでは」と疑念を抱いた。それでも夢乃の「努力する」という言葉を信じ、児童相談所のプログラムを受けてもらうことで話がまとまった。所長は主人公に向日葵にプログラムの相談をするよう指示したが、向日葵は既に定時で退社していた。

向日葵の水曜日の予定

向日葵は水曜日になると必ず定時で帰る習慣があった。他の児童福祉司によると、以前児童相談所を訪れた子どものアフターケアを継続しているのだという。

ある日、17歳の少女が深夜徘徊で補導され、主人公はいつもより早く出勤することになった。補導された葉月という少女は両親と連絡が取れない状況だったが、補導は初回ではなく、落ち着いた様子を見せていた。葉月は中学生の時にも深夜徘徊で補導されており、その時から向日葵と顔見知りだった。

当時新人だった向日葵と出会った葉月は、裕福な家庭に育ちながらも、仕事に忙しい血の繋がらない両親からあまり関心を向けてもらえずにいた。水曜日の学校帰りに何度も向日葵と面談を重ねるうちに、葉月は徐々に心を開いてくれるようになっていた。面談は順調に進み、児童相談所は養育環境にも特段の問題がないと判断し、ある日面談終了の決定を下した。

しかし、その翌週の水曜日、「学校にも家にも、どこにも居場所がありません」と葉月から向日葵に助けを求める電話がかかってきた。向日葵はいつものカフェで葉月と話し合い、個人的な判断で面談を継続することを決めていた。昨日の面談では彼氏を紹介されたことも職場のリーダーに報告し、葉月がなぜ深夜徘徊に至ったのか、一時保護の可能性も含めて検討することになった。

葉月の父親との面談

葉月の父親と連絡が取れ、家庭訪問が実施された。海外から帰国したばかりの父親は「お互いに干渉しないのがルールだから」と言い、深夜徘徊していた葉月のことを全く気に留めていない様子だった。経済的には十分な援助を行い、法的な養育義務は果たしているため、明確な問題がない限り児童相談所も一時保護はできない状況だった。蔵田先輩は「事情は様々なので一概には言えませんが、こういうグレーなケースが最も対応が困難です。子どもに関心のない親の気持ちを変えるのは簡単ではありません」と主人公に説明した。

児童相談所では向日葵と葉月がロールシャッハテストを実施していた。「彼氏の気持ちもわかるの?」と尋ねる葉月に、向日葵は「自分の周りのことになるとかえってわからない。彼氏の気持ちが知りたいの?」と返した。「彼氏とは心が通じ合っているから大丈夫です」と答える葉月。実際は彼氏を向日葵に合わせたことで彼氏の機嫌を損ね、謝ろうとして彼氏の仕事が終わるのを深夜まで待っていて補導されたのだった。

すれ違う心

父親が夜中に娘が外出していても心配しないことを気にかける向日葵。「葉月ちゃんをちゃんとケアしたい」という向日葵の思いに対し、葉月は「もう帰りたい」と言って面談を打ち切ろうとした。家庭訪問から戻った蔵田に葉月の家庭環境を確認する向日葵。実は向日葵は葉月と水曜日に会っていることを恋人の蔵田にも内緒にしていた。「付き合う前からのことだったから、ごめんなさい」と謝る向日葵に、蔵田は「構わないけれど、なぜ言わなかったのかは気になります」と返した。「賛成してもらえないと思って、気まずくなりたくなかったから」と答えて、その場を去る向日葵。

葉月のロールシャッハテストの結果は以前とあまり変わらず、強い不安を抱えていることが判明した。そのため今後も家庭訪問と面談を継続することが決定され、父親は渋々承諾した。

仕事終わりに向日葵は主人公を飲みに誘い、二人は葉月の彼氏が働いているバーへ向かった。葉月が補導されたのはそのバー近くで、補導された夜も彼氏に会いに来たのではないかと推測していた。店では葉月の彼氏が客とお金のトラブルで揉めている場面に遭遇した。このことを葉月に伝え、騙されていないか心配したことで口論となり、「もう二度と連絡してこないで。正直、ひまちゃんにケアされるより彼氏といる方が幸せだから」と言われてしまった。

本当の気持ち

その夜、葉月の彼氏の店で蔵田が暴力事件に巻き込まれた。バーで友人に「いいATMを見つけた」と自慢する葉月の彼氏の会話を聞き、葉月からお金を騙し取っていることを知った蔵田が激怒し、彼氏と口論になって殴られたのだった。

一連の事実を向日葵が葉月に連絡するも返信はなく、家にもいない状況で心配が募る。主人公は葉月の彼氏に葉月がいそうな場所を聞き出し、ゲームセンターで葉月を発見した。騙されていることを知りながらも「彼氏しかいないからしょうがない」という葉月に、主人公は「5年も面談を続けるってすごいことよ」と伝え、向日葵が葉月を大切に思い、心配していることを説明した。

水曜日。「もう連絡するな」と言った葉月だったが、いつもの面談場所であるカフェにやってきた。程なくして向日葵も現れ、面談を終了すると告げた。「生きてさえいてくれればそれでいい。でも苦しくなったらいつでも頼って。ずっとそばにいるから」と言って、少し早い誕生日プレゼントを手渡した。

「家でも学校でも居場所がなくて、彼氏からは都合のいい女として扱われて焦っていました。一番私のことを考えてくれていたのはひまちゃんだったのに、自分から遠ざけてしまって。ひまちゃん、ごめんなさい。私、ちゃんと幸せになるから」という葉月の言葉を聞いて、向日葵は涙を流した。泣きながら「特別な存在だから、葉月ちゃんが」と伝える向日葵の顔を見て、「私、一人じゃないんだな」と葉月も涙した。

水曜日の面談は継続することとなり、二人は一緒に食事をした。仲良く話しながら食事をする様子は、親子のようでもあり、姉妹のようでもあり、友達のようでもあった。

ショートステイ里親が果たす「心の避難所」としての役割

この物語は児童相談所が舞台ですが、ショートステイ里親制度と深く関連する重要なテーマが描かれています。どりむくんやりずむくん、そして葉月のような子どもたちにとって、必要なのは単なる「預け先」ではありません。彼らが求めているのは、心の安全を感じられる「避難所」なのです。

どりむくんの描いた絵が物語るように、家庭に問題を抱える子どもたちは「誰にも知られたくない」という複雑な感情を抱えています。表面的には平静を装いながらも、心の奥底では深い不安や孤独感に苛まれているのです。こうした子どもたちにとって、ショートステイ里親の家庭は、安心して本来の自分でいられる貴重な場所となります。

また、葉月のケースは現代社会でよく見られる「グレーゾーン」の問題を浮き彫りにしています。経済的には恵まれていても、情緒的な関心や愛情が不足している家庭環境。このような状況の子どもたちは、法的には保護の対象になりにくいものの、心理的なサポートを必要としています。ショートステイは、そうした子どもたちに短期間でも温かな家庭環境を提供し、心の安定を図る重要な役割を担っています。

向日葵と葉月の関係性が示すように、継続的な関わりこそが子どもたちの心を癒やし、成長を支える力になります。ショートステイ里親も同様に、短期間の関わりであっても、子どもたちにとって「いつでも戻れる安心できる場所」として機能します。それは物理的な居場所であると同時に、心の支えとなる精神的な居場所でもあるのです。

家庭で居場所を見つけられない子どもたちにとって、ショートステイ里親の家庭は「心の避難所」として機能します。そこは批判されることなく、ありのままの自分を受け入れてもらえる場所。そして何より、「あなたは大切な存在だ」というメッセージを受け取ることができる場所なのです。

まとめ

この物語を通じて、子どもたちが抱える見えない傷や、心の居場所を求める切実な思いが伝わってきます。ショートステイ里親制度は、単に一時的な預かりサービスではありません。それは、困難な状況にある子どもたちにとって、心の避難所となる重要な社会資源なのです。

どりむくんの無言の絵に込められた思い、葉月が長年にわたって求め続けた居場所への渇望。これらは私たちに、子どもたちの声なき声に耳を傾ける大切さを教えてくれます。

向日葵と葉月の関係性が最終的に「親子のようでもあり、姉妹のようでもあり、友達のようでもある」温かな絆に発展したように、ショートステイ里親と子どもたちとの間にも、短期間であっても深い信頼関係が生まれます。その関係性こそが、子どもたちの心を癒やし、未来への希望を与える原動力となるのです。

私たち一人ひとりができることから始めませんか。ショートステイ里親として、あるいは制度を理解し支援する立場として、子どもたちの「心の避難所」づくりに参加することで、より多くの子どもたちが安心して成長できる社会を築いていきましょう。

ショートステイ里親について詳しく知りたい方は

  • お住まいの地域の児童相談所
  • 都道府県の里親支援機関
  • 全国里親会のホームページ

などでご確認いただけます。小さな一歩が、大きな変化の始まりになるかもしれません。

福岡市にお住まいの方→福岡市こども総合相談センター えがお館 ☎︎092−833−3000

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