ドラマ「明日はもっと、いい日になる」SOSを出せない子どもー児童虐待の現実

スポンサーリンク
ショートステイ里親になりたい方向け

月曜9時に放送されていたドラマ、「明日はもっと、いい日になる」をご存知ですか?
第10話に続き、最終話も児童虐待がテーマでした。

児童虐待のニュースを見るたび、「なぜ誰も気づかなかったのか」「なぜもっと早く助けられなかったのか」と思います。しかし、虐待は家庭という密室で起こり、子ども自身が「助けて」と言えないケースがほとんどです。それどころか、殴られても家族のために笑顔を作り、周囲に「虐待なんてない」と言ってしまう子どももいるのです。

今日は、児童虐待の実態と、虐待が深刻化する前に利用できる「ショートステイ制度」についてお話しします。

本文中広告

最終話 明日に羽ばたく、こどもたちの翼になる あらすじ

※ここから先は、ドラマ「明日はもっと、いい日になる」のストーリーに触れています。ネタバレを避けたい方はご注意ください

虐待疑いの通報を受け、児童相談所の夏井と先輩の蔵田は対象者の捜索を開始した。同僚の蒔田も手伝いに加わり、三人で周辺を探し回る。蒔田が通報と同じ服装の少年と父親らしき人物を発見し、階段を上る二人に声をかける。振り返った少年の顔にはアザがあった。蒔田が父親を引き留めようと手をかけた瞬間、「触るな」と振り払われ、階段から転落してしまう。幸い傷は浅く、蒔田は父親が子供を「ゴミ」と呼んでいたこと、少年が「助けて」と訴えた気がすることを伝えた。児相職員は一層捜索に力を入れる。

対象者が住んでいると思われる団地内を訪問調査し、最後の一件。電気メーターが回っているにも関わらず応答がない。立ち入り調査の申請をし、数日後に許可をが降り、家宅捜索へ向かった。母親が応対し、同意がなくても強制調査になることを説明するとすんなり入室を許可した。しかし室内に入ると一転、父親が「勝手に入るな」と騒ぎ、母親も「不法侵入だ」と態度を変える。男性職員が父親を制止する間に、夏井がそらくんを発見し保護した。

児童相談所での聴取で、両親は虐待を否定。一時保護所に来たそらくんも「虐待なんてない。転んだだけ」と主張し、「おうちに帰らなきゃ」と話した。三人全員が虐待を否定し、さらに両親が立ち入り調査の様子を盗撮してネットに公開したため、児相には大量のクレーム電話が寄せられた。児相側も母親の許可を得て撮影していたが、守秘義務がありその映像を公開できず釈然としない状況が続く。

一時保護所で子どもたちに迎えられたそらくんは、どりむくんに「このお姉ちゃんは僕たちのために何だってやってくれる」と夏井を紹介され、少し安心した様子を見せる。しかし急に腹痛を訴え、病院へ搬送された。病室で夏井は「帰りたい」ではなく「帰らなきゃ」と言った理由を尋ね、そらくん自身がどうしたいのか考えて欲しいと伝えた。

ところがその後、内臓出血のあるそらくんが病院から連れ去られる。一刻を争う事態にも関わらず、児相ではクレーム電話が鳴り止まない。業を煮やした所長の桜木が「子どもの命がかかっている。本当にSOSを出している子どもの声が聞こえなくなる」と怒鳴り、電話を切った。職員たちは驚きつつも所長を見直す。児相前にはマスコミが集まる中、児相にやってきた女性がインタビューされていた。「ここの人たちは子どもを優先し諦めずに向き合ってくれた。母親失格だった私にも親身になってくれた。感謝しかない」と証言した女性はどりむくんりずむくんの母親・夢乃だった。

そらくんの自宅で夏井が日記を発見する。そこには日常的な暴力が記されていた。母親が父親に殴られるのを防ぐため、そらくんが代わりに殴られていたのだ。「そらちゃんはママのヒーローだね」という母親の言葉を胸に、「僕はゴミだから痛くない」と我慢し続けていた。日記の最後にはヒーローの絵と、痛みを我慢するおまじないの歌詞が書かれていた。

心当たりのある公園へ向かうと、その歌を歌う男の子がいた。日記に登場する「りっくん」だった。彼は以前虐待現場に居合わせおもちゃで録音したが、殴られた後も笑顔で「誰にも言わないで」と言うそらくんを見て、何もしない方がいいと判断しおもちゃを捨てたという。

虐待の疑いをかけられたことで逆上し、母親とそらくんに暴力を振るう父親。そらくんは母親を守るため包丁を手に取り父親へ向かう。夏井が駆けつけ包丁を掴んで、「こんなことで犯罪者になったらもったいない。もうりっくんと遊べなくなっちゃうよ。ママをパパから守ろうとしたんだよね。ごめんね。私たちがもっと早く見つけてあげられれば。でももうこんなことしなくていいから」と伝えた。そこでそらくんは「もうやだ。怖い。助けて」と初めて本音を吐露する。蔵田は「毎日殴られゴミだと言われ続けた10歳の子どもが、自分を犠牲にして犯罪者になろうとした」と父を激しく非難した。

児相職員総出で探し出したりっくんの録音したおもちゃが証拠となり、父親は逮捕された。父親が逮捕されることに「私にはパパと空ちゃんしかいない」と慌てる母親にそらくんは「もう、おうちに帰りたくない」と意思を伝える。夏井は「大丈夫、私たちがいるから。これからは何でも言って」とそらくんを抱きしめた。

夏井は今回の件で自分は世間的に恵まれた家庭で育ったと感じた。そんな自分が問題を抱える子供たちの痛みを理解し共感するにはするには難しいところがある。だからこそ、子どもたちの声を全力で聴いてあげたい。そのために何だってやりたい。それが私の「助ける」だと。蔵田も子どもたちは自分の気持ちを押し殺してきたと感じていた。わがままを言えない状況だったり、言ってしまえば一人になってしまう。でも本当は言いたいことがたくさんあるはず。だから少しでも多くの声を聴いてあげてください。あなたがここにいることは子どもたちの希望になる。と夏井に感謝した。

翌日、元職場の上司に呼び出された夏井。1年間の出向の予定を半年に早めてくれると言う。その話を聞いても嬉しくなさそうな夏井。上司が理由を聞くと、以前は警察にこだわっていたが、今は困っている人や助けを求めている人の力になりたいだけだと言った。

その後〜
りずむくんとどりむくんは夢乃のと一緒に暮らせるようになった。「何かあったらすぐに駆け込みます」と笑顔の夢乃。3人が手を繋ぎ帰るところを夏井たちは笑顔で見送った。
風雅くんは里親が見つかり退所式。
青葉くんも父親と暮らすことができた。
桜木は雑誌に取り上げられることとなり取材を受ける。
保育士の栗原の大きくなったお腹を子どもたちがさわって、空くんも笑顔になった。
児童福祉司リーダーの蜂村は元奥さんと息子と3人でキャンプを楽しんでいた。
蔵田は蒔田を南野夫婦に紹介。
みんなそれぞれ幸せそうだった。

夏井と蔵田は、母親に塩をぶっかけられたり、父親に殴られたりしながらも児相の仕事に全力を注いでいた。子どもの声を聴くために。

虐待はなぜエスカレートするのか

虐待の多くは、突然始まるわけではありません。親のストレス、経済的困窮、孤立した育児環境などが積み重なり、少しずつエスカレートしていきます。

特に深刻なのは、虐待が「日常」になってしまうケースです。最初は「つい手が出てしまった」という罪悪感があっても、それが繰り返されるうちに感覚が麻痺していきます。子どもの方も、暴力のある環境に適応しようとして「これが普通」だと思い込んでしまうのです。

「そらちゃんはママのヒーローだね」という母親の言葉は、一見優しく聞こえます。しかし、これは子どもに自己犠牲を強いる危険な言葉です。子どもは親に愛されたい一心で、痛みを我慢し、「僕が殴られればママが助かる」と考えてしまいます。そして内臓から出血するほどの暴力を受けても、ママを守るため「おうちに帰らなきゃ」と訴えるのです。

「家族だから」という呪縛

虐待をする親の多くが「家族のことは家族で解決する」「他人に口出しされたくない」と考えています。しかし、「家族だから何をしてもいい」わけではありません。

子どもは親の所有物ではなく、一人の人間です。主人公の夏井のように、「どうしたいのか」「何が好きなのか」「何が楽しいのか」―そうした子ども自身の声に耳を傾けることが、本当の家族の絆を作ります。

虐待が深刻化してからでは、親子の関係修復には長い時間がかかります。だからこそ、「限界が来る前に」助けを求めることが大切なのです。

ショートステイ制度―虐待を未然に防ぐ仕組み

ショートステイ制度とは、保護者が病気や出産、冠婚葬祭、育児疲れなどで一時的に子育てが困難になった時に、児童養護施設や里親家庭で子どもを預かる制度です。

こんな時に利用できます

  • 育児に疲れて、イライラが抑えられない
  • 仕事や介護との両立でストレスが限界
  • 配偶者との関係が悪化し、家庭が不安定
  • 経済的な問題で精神的余裕がない
  • 一人の時間が欲しい、休息が必要

「こんなことで利用していいの?」と躊躇する方もいるかもしれません。しかし、これは決して恥ずかしいことではありません。むしろ、「限界が来る前に助けを求められる」ことは、親としての大切な判断力です。

ショートステイ里親として感じること

私はショートステイ里親として、様々な事情で一時的に家庭を離れる子どもたちを受け入れてきました。預ける時に不安そうな親御さんもいます。でも、数日後に迎えに来た時の表情は全く違います。心身ともにリフレッシュし、「また頑張れます」と笑顔で帰っていく姿を見ると、この制度の意義を実感します。

子どもたちも、最初は緊張していますが、次第に「ここは安全な場所だ」と理解します。普段とは違う環境で過ごすことで、子ども自身も気持ちをリセットできるのです。

大切なのは、「虐待が起きてから」ではなく「虐待が起きる前に」利用することです。

周囲ができること

もし、身近に育児で悩んでいる人がいたら、「ショートステイって知ってる?」と声をかけてみてください。追い詰められている親は、自分のことで精一杯で、そうした制度の存在すら知らないことが多いのです。

また、「ちょっと預けてくるね」と気軽に言える社会の雰囲気作りも重要です。
「親なんだから頑張らなきゃ」「子どもを預けるなんて無責任」と言う方もいますが、親が追い詰められ、子どもが虐待されてしまうよりもよっぽどいいと思いませんか。

子育ては一人でするものではありません。社会全体で支えるものです。

まとめ

「もうやだ。怖い。でもどうにかしないとと思って。助けて。」

これは、包丁を手にした10歳の子どもの叫びでした。ここまで追い詰められる前に、できることがあったはずです。

虐待は「特別な家庭」で起こるものではありません。どんな家庭でも、ストレスや孤立が重なれば起こりうることです。だからこそ、予防が大切なのです。

ショートステイ制度は、親子双方を守る大切な仕組みです。「限界が来る前に休む」「助けを求める」ことは、恥ずかしいことでも弱いことでもありません。それは、子どもを守るための賢明な選択です。

一人で抱え込まないでください。 子どもの笑顔と、あなた自身の心の健康を守るために、どうか周囲に頼ってください。

私たちショートステイ里親は、いつでも温かくお迎えします。そして、「また頑張ろう」と思えるまで、しっかりとサポートします。

子どもたちの未来のために、今できることから始めましょう。


ショートステイ制度についてのお問い合わせ

※ショートステイ里親や一時預かり支援についての詳しい情報は、お住まいの地域の児童相談所や自治体にお問い合わせください。また、育児でお悩みの方は、一人で抱え込まず、専門機関にご相談ください。

福岡市にお住まいの方→福岡市こども総合相談センター えがお館 ☎︎092−833−3000

タイトルとURLをコピーしました