ドラマ「明日はもっと、いい日になる」親を信じ続ける子ども達

ドラマ「明日はもっと、いい日になる」
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「うちの家庭は他と違う」子どもがそう感じながらも、親を信じて健気に待ち続ける姿を見たことはありますか?言葉の壁、経済的困難、複雑な家庭事情。様々な理由で孤立してしまう親子がいます。しかし、どんな状況でも子どもたちは親を愛し、信じ続けているのです。今回は、言葉の壁に苦しむ外国人の母親と、その母を想う息子の物語を通じて、困難な状況にある家庭を支えるショートステイ里親制度の重要性をお伝えします。

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第6話 住所のない”消えた子ども”の無垢な願い あらすじ

※ここから先は、ドラマ「明日はもっと、いい日になる」のストーリーに触れています。ネタバレを避けたい方はご注意ください

一時保護所で生活するどりむくんとりずむくん。だんだんと笑顔が見られるようになり、主人公の夏井と課長兼保育士の南野は安堵していた。どりむくんとりずむくんは夏井に「二人で絵を描いたからママに渡して」と頼む。

児童相談所に戻った夏井と蔵田は、どりむくんとりずむくんの母・夢乃が面会に来るのを待っていた。遅れてやってきた夢乃に二人が描いた絵を渡す。児童相談所で子どもが癇癪を起こした時の対応について心理士から学ぶ夢乃。勉強会の終わりに「まだよくわかっていない」という夢乃に「私もまだわからないことだらけなので大丈夫ですよ」とフォローする夏井だったが、先輩の蔵田に「あなたはそんなんじゃ困るんですよ」と叱られていた。

その時、夢乃に電話がかかってきた。着信画面には「我孫子さん」とあった。夢乃は通知を見て「ありがとうございました」と慌てた様子で、子どもたちが描いた絵を忘れて帰ってしまった。

今夜の当直は蔵田と夏井。二人で夜食を食べながら夏井が「今から食べるぞって時に通報が入るんですよね」と話していたら、本当に通報が入った。「身柄付き通告をお願いしたい」という警察からの電話だった。誰もいない小学校に忍び込んで警察に連れてこられた7歳の男の子、一ノ瀬愁くんだった。

お腹が空いたという愁くんに、一時保護所の課長兼保育士の南野がカレーを食べさせてあげる。アレルギーを心配する夏井、南野が出したカレーは「ジョーさん特製カレー」と言いながらアレルゲンフリーのレトルトカレーだった。

父母の名前、学校や家の場所などを聞く夏井に、愁くんは「知らないってば!」と教えてくれない。愁くんの名前と年齢から該当する子どもの自宅と思われる場所を訪ねてみるも、家族は数か月前にすでに引っ越している様だった。住民票が提出されていないため次の転居先もわからず、愁くんは「居所不明児童」となっていた。経済的な理由やDVからの避難などで親と一緒に住民票を移さず各地を転々とする子どもなのだという。こうなると行政の記録からも追えず行方がわからなくなり、問題を抱えていても児相が対応するのは難しく「消えた児童」と呼ばれている。

心理士の蒔田は、愁くんの箱庭療法の結果から「きちんと愛情を受けて育っているとお子さんだと思います」と報告した。

愁くんが保護されて1日が経過するも、行方不明者届や捜索願などは出されておらず、児童相談所の職員は必死になって情報を集めていた。そこへ一時保護所の保育士が、愁くんのポケットに入っていたという1枚のスタンプカードを持ってくる。夏井と蔵田はそのポイントカードを手掛かりにスーパーに向かった。店員に尋ねると、愁くんのお母さんは近くのクリーニング店で働いているという。

クリーニング店では「一ノ瀬さんにお会いしたいのですが」と言うだけで「やっぱり何かあったんだ!」と店主の奥様。「あの子、今日は来てないよ。家まで用意してやったのに」とご主人。愁くんの母親はその日無断欠勤していた。クリーニング店で住所を聞き、今度は愁くんの自宅へと向かう。

夏井がドアをノックしている時にやってきた女性が愁くんの母親だった。愁くんのことを話すと、片言ながらも愁くんを心配していた。愁くんの母親はベトナム人で日本語があまりわからないようだった。蔵田が英語で話しかけるも伝わらなかった。仕方なくわかりやすい日本語で家庭訪問を続ける。「愁くんは大丈夫ですよ」という夏井の言葉に母親は安心した様子を見せた。

愁くんの母親は1年前に夫とは離婚しており、日本語は片言で、愁くんのことを相談できる人もいない。蔵田が愁くんをすぐに帰すことはできないと説明するも「何で?何で?」と伝わらなかった。愁くんの入学に関する書類も届いていたのだが、日本語がわからないため手続きができていない。元夫からの養育費の支払いも止まっており、入学の手続きに加えて児童扶養手当の申請なども必要そうだった。

たくさんの書類に必要事項を記入しなくてはならないため、日本語がわからない母親は困惑していた。しかし夏井が、どこに何を書けばいいのかわかるように、翻訳アプリで調べたベトナム語で説明を書き足していた。その気遣いに

一時保護所にいる愁くんに「もうすぐ学校に行けるからね」と伝えると「行きたくない、学校なんて行かなくていい!」と言った。夏井は「愁くん、お母さんが見つかったら私たちに怒られるんじゃないかと心配で何も話せなかったんだよね。私たちは怒らないから大丈夫だよ」と優しく伝え「お母さん、愁くんを迎えに来るために頑張ってるから。また一緒に暮らせるように」と続ける。それを聞いた愁くんは「本当に本当に本当?」と嬉しそうだった。

一時保護所で漢字の勉強をするお友達を見て愁くんは「僕も小学校に行ったら漢字が読めるようになるかな」と笑みを浮かべる。「お母さんに教えてあげたいんだ」と意気込む愁くんに「お母さんは大人なのに漢字が読めないの?」と尋ねられる。「でもお母さんの国の言葉たくさん教えてくれるんだ」と答えると「愁のお母さん外国人なの?」「かっこいいね!」「俺にも教えてよ!」と盛り上がったがそこで「はいはい、自分のお話はしなーい」と保育士に止められてしまった。その後もお友達と楽しく遊ぶ愁くん。夏井と蔵田がその様子を見ながら、愁くんが今まで同年代の子どもと遊ぶ機会がなかったのではないかと感じていた。南野は「親が社会とのつながりを断たれちゃったら子どもも社会とつながれなくなっちゃうんだよね。大人の事情なんてこの子たちにはなーんの関係もないのにね」と悲しそうだった。

翌日、母親のもとへ向かう夏井と蔵田。まだ書類は書いていないという母親。何か事情がありそうだった。
一方で一時保護所にいる愁くんが体調不良で病院に行くことになった。通院の報告を受けた母親は児童相談所へやってきて在留カードを差し出す母親。蔵田が確認すると期限が切れていて、母親は不法滞在だとわかった。離婚した時点で手続きが必要だったが、お金がなかった母親は手続きをしていなかった。母親は自分が不法滞在と知りつつも、学校に行きたがっている息子のためにお金を貯めてランドセルを買っていた。

母親が強制送還されると、愁くんは父親に引き取ってもらうことは難しそうで、言葉もわからない国で暮らすか、日本の施設で暮らすかの選択を迫られることになる。母親は相談室で待つことになった。

所長の桜木が入国管理局に連絡すると1時間ほどで到着するという。愁くんと母親の最後の面会をさせるため愁くんがが戻るまで待てないかとお願いする夏井。桜木は「もうこの問題は児童相談所の範疇を超えている」と夏井を静止する。愁くんのために一生懸命働いていた母親。母親を支えるために毎日一生懸命お手伝いしていた愁くん。本当は学校に通いたかったのに母親のことを察して我慢していた。夏井は最後にそんな二人を会わせてあげたかった。

出入国在留管理局の職員が到着し、愁くんの母親が待っている相談室にお連れするようにと桜木が指示したが、蜂村が「他の相談者の方もいるのでここまでお連れします」と管理局の職員を待たせた。なかなかやって来ない蜂村に「何やってんだろう」と不安な桜木。痺れを切らした管理局の職員を相談室まで案内する。

階段を上がろうとすると「あー、ここ通れませんよ」と道を塞ぐ保育士。仕方なく別の階段を使っていくことに。別の階段へ向かうと今度は蒔田が道を塞ぐ。「愁くんのお母さんは相談室ではなく面会室じゃなかったっけ?」と別の部屋へ誘導する。その途中で蜂村を見かけて「母親は?」と追いかける桜木。面会室へ向かうと児童福祉司の野良が食事をしていた。「何でここにいるの?」と話をしているうちに外から突っかえ棒をされ、一行は閉じ込められてしまう。「立て付けが悪くて…」と誤魔化す桜木だったが「このまま施設内を捜索させていただきます」と険しい表情の管理局職員。そこで管理局職員のスーツに海へ行こうとしていた子どもたちの釣り針が引っかかり、動けなくされてしまう。

南野がすぐ外そうとするも「いい加減にしてください!我々にはこの街の治安を守る使命があるんです。子どもの相手だけしてればいい、あなた達とは違うんですよ!」と怒鳴る管理局職員。南野は「大変なお仕事ですね。でもねここで働いているみんなも守ってるんですよね。怒鳴られても嫌がられても毎日汗だくになって走り回って。子どもたちの笑顔と未来を守ってるんですよね。あなた達の仕事とどこが違うんですか?」と返す。桜木がもう一言言ってやろうというタイミングで、夏井と愁くんの母親が現れた。「ごめんなさい。ごめんなさい」と謝る母親。そこへ蔵田が病院から連れてきた愁くんが母親が買ったランドセルを背負ってやってくる。

「このランドセル、お母さんが買ってくれたんでしょ?」「うん」「このランドセル僕が一番欲しかった色」「うん」「もうすぐ変えれるんだよね?」「うん」「そしたらまた買い物に行こうね」「うん」「ポイントたくさん貯まったから、お母さんの好きなケーキ買おう」「うん」「夏休みが終わったら学校に行けるんだって!そしたら漢字勉強してお母さんにも教えてあげる」「ありがとう」「お母さんと一緒だと楽しいことがいっぱいだね」「うん」「泣かないで…」「悲しい違う、愁が嬉しいからだよ」「変なの。お母さんに会えたんだし、嬉しいに決まってるじゃん」「お母さん、愁に会えて嬉しい」と母親が愁くんを抱きしめた。

愁くんの母親は管理局職員に連れて行かれてしまう。「お母さん、どこに行くの?」と尋ねる愁くん。管理局の職員は「ちょっとおじさん達とお話しするだけだよ」と言ったが、愁くんは何かを悟ったようだった。落ち着きを取り戻した管理局の職員が「大変なお仕事ですね」と南野に声をかけ、南野は職員へ「寛容な対応を」とお願いした。愁くんの母親は夏井たちに深々とお辞儀をして連行された。

児童相談所の職員に愁くんの母親のその後を報告する桜木。「書類申請の遅れだと判断されたそうです。在留特別許可が下りるでしょう」と聞いて児童相談所の人たちは安心する。桜木の知らないところで児童相談所職員が口裏を合わせて愁くんと母親を会わせようとしたことは、一歩間違えば責任問題になっていたと注意したが、職員一同から「本当に申し訳ありませんでした」と謝罪され、桜木は許してしまうのであった。

困難な状況でも親を信じ続ける子どもたち

この物語で最も心を打たれるのは、愁くんの健気さです。日本語がわからない母親、不安定な生活、本当は行きたい学校にも通えない日々。周りの家庭とは明らかに違う環境の中で、愁くんは母親のことを深く理解し、支えようとしていました。

「お母さんに漢字を教えてあげたい」という愁くんの言葉には、子どもらしい純粋さと同時に、母親への深い愛情が込められています。本当は学校に行きたい気持ちを隠し、母親の苦労を察して我慢していた愁くん。

一時保護所で初めて同年代の子どもたちと遊ぶ愁くんの姿は、親が社会から孤立することで子どもまで孤立してしまう現実を浮き彫りにします。「大人の事情なんてこの子たちにはなーんの関係もないのに」という南野の言葉は、まさに核心を突いています。

言葉の壁、経済的困難、DVなど、様々な理由で支援を求めることができず、孤立してしまう親子は少なくありません。愁くんの母親のように、一生懸命働きながらも制度の利用方法がわからず、結果的に困難な状況に陥ってしまうケースもあります。

困難を抱える家庭には、寄り添い、理解し、具体的な支援を提供することが必要なのです。

愁くんが「本当は学校に通いたかったのに母親のことを察して我慢していた」という事実は、子どもたちがどれだけ親のことを想い、理解しようとしているかを示しています。「うちの家庭は他と違う」と感じながらも、親を信じて待ち続ける子どもたち。その健気な心に応えるためにも、親は時には助けを求める勇気を持つことが大切です。

誰かに助けを求めることは、決して親としての責任を放棄することではありません。むしろ、子どもにより良い環境を提供し、親自身も必要なサポートを受けながら状況を改善するための前向きな選択なのです。

愁くんと母親が最後に抱き合うシーンで、母親は「愁が嬉しいからだよ」と涙を流しました。どんなに困難な状況でも、親子の絆は決して失われることはありません。そしてその絆を守り、育むために、さまざまな社会的支援が存在しているのです。
ショートステイ里親もその一つです。

誰かに助けを求める勇気

愁くんの母親が働くクリーニング店では愁くん親子のために店主が住むところを準備してくれていました。
児相でも愁くんのお母さんが日本語が苦手だとわかり、夏井や蔵田が入学や他の支援申請の手続き書類記入のサポートをしました。
何か困難なことにぶつかった時には一人で抱えず、誰かに助けを求めることが重要だと感じます。
経済的に困窮した時は生活保護、就学援助支援などDVに悩んだら避難シェルターの利用、育児が困難だと感じた時は一次保護やショートステイ里親など、悩みに合わせた支援があります。

まとめ

愁くんの物語は、困難な状況にある親子の現実と、それでも失われない親子の絆を描いています。言葉の壁、経済的困難、社会的孤立。様々な問題を抱えながらも、子どもたちは親を信じ、愛し続けています。

「お母さんに漢字を教えてあげたい」「ポイントを貯めてケーキを買おう」。愁くんの言葉一つひとつに、母親への深い愛情と、一緒に暮らせる日を信じて待つ健気な心が表れています。自分の家庭が他と違うことを感じながらも、親を責めることなく理解しようとする子どもたち。その姿に、私たち大人は多くのことを学ばなければなりません。

困難な状況にあるとき、一人で抱え込む必要はありません。ショートステイ里親制度は、そんな親子を支えるための大切な社会資源です。子どもを預けることに罪悪感を感じる必要はありません。それは、より良い未来のための前向きな一歩なのです。

専門的なケアを受けながら子どもが安心して過ごせる環境、そして親が必要な手続きやサポートを受けられる時間。ショートステイは親子双方にとって、状況を改善するための貴重な機会を提供します。

困ったときには助けを求める勇気を持ってください。ショートステイ里親制度は、あなたと子どもを支えるために存在しています。親を信じて待ち続ける子どもたちの健気な心に応えるためにも、必要な支援を受けることは親としての大切な選択なのです。

ショートステイ里親について詳しく知りたい方は

  • お住まいの地域の児童相談所
  • 都道府県の里親支援機関
  • 全国里親会のホームページ

などでご確認いただけます。小さな一歩が、大きな変化の始まりになるかもしれません。

福岡市にお住まいの方→福岡市こども総合相談センター えがお館 ☎︎092−833−3000

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