皆さんは「ショートステイ里親」という言葉をご存知でしょうか?
子育て中の急な病気や仕事の都合、時には心身の疲れから「少しだけ休息が欲しい」と感じることは誰にでもあるものです。そんなとき、頼れる身内が近くにいなければ、どうすればいいのでしょうか。
実は福岡市には、子どもを一時的に預かってくれる「ショートステイ里親」という素晴らしい支援制度があります。施設ではなく里親の自宅で家庭的な環境で子どもを安心して預けられるこの制度は、まだ多くの方に知られていないものの、子育ての大きな味方になってくれると思います。
今回は、育児の悩みを抱えるすべての保護者の方に知っていただきたい、ショートステイ里親制度の概要と利用方法についてご紹介します。「ひとりで頑張りすぎない子育て」のヒントになれば幸いです。
福岡市におけるショートステイ里親制度
- ショートステイ里親は、一時的に家庭での子育てが難しい状況の子どもを短期間預かるための里親制度です。
- ショートステイ里親の利用は、保護者の病気や育児疲れ、急な出張、冠婚葬祭などで様々な事情があり、家庭で子どもを見られない場合に行われます。
- 通常、里親家庭または児童養護施設において最長7日間、子どもを預かることになります。
- 福岡市では、所得条件を満たせば無料で利用可能です。利用料は2歳未満で5,350円、2歳以上で2,750円です。
- 里親となるためには、一定の資格や研修が必要です。
利用方法
- 申請方法: 区役所の子ども家庭支援課で申請できます。
- 期間と条件: 原則として最長7日間、繰り返し利用可能です。
- かかる費用: 所得条件で利用料が異なり、無料の場合もあります。

私が聞いた話では、シングルの方、非課税世帯が利用料無料とのことでした。病気など、特別な理由がある場合にも利用料が割引されたり無料になったりするそうです。区役所の子ども家庭支援課にショートステイ里親の利用相談する際に利用料金を確認するようにしてください。
- 申請の流れ: 事前に保護者が区役所へ利用申請を行い、コーディネーターが里親との具体的な利用日時を調整します。

受け入れ可能な里親さん、施設のコーディネーターさんの空き状況なども考慮すると、急なお申し込みだとショートステイのスケジュール調整ができず、自分が利用したい日数よりステイ期間が短くなってしまったり、利用したい日時からのスタートができない場合がありますので、できるだけ早めに申請してください。
- 委託費: 里親には一定の委託費が支払われます。

2歳未満1日10,700円、2歳以上1日5,500円いただいています。
お子さんのおむつやミルクはもってきていただくことが多いですが、それ以外のおやつを含む食事代、光熱費、レジャー費などもこの中から支払います。
ショートステイの途中でおむつがなくなってしまったり、ハブラシがなかったりした場合も里親が購入したりします。
資格と手当
- 里親資格: 一定の研修を受けることが必要です。
- 委託費の支払い: 子どもの年齢に応じて異なる日額が支払われます。
- 研修内容: 養育に必要な知識や技術を学ぶ機会が提供されます。
- 里親の種類: 養育里親、養子縁組里親、専門里親などがあります。

ショートステイ里親になるには、養育里親の資格が必要です。
- 更新制度: 里親の資格には定期的な更新研修が求められます。

養育里親の資格は5年ごとに更新です。5年経過までに里親の委託がない場合、乳児院などの施設研修をもう一度受けなければなりません。
福岡市での実施
- プロジェクト: 福岡市では、SOS子どもの村と協力して里親を支援しています。
- 登録家庭: 福岡市では、多くの里親家庭がショートステイを受け入れています。

福岡市のショートステイ利用回数は日本でトップクラスです。
関東の議員さんや学生さんもショートステイ里親の調査や論文を書くために福岡まで研修に来られていました。福岡市に住む者としてなんだか誇らしいですね。
- 利用状況: 年々利用する子どもや家庭が増加しています。

一度ショートステイを利用した方が再度ショートステイを利用することも多く、新しくショートステイ里親の利用する人数と合わせると増えています。ショートステイの利用回数も日数も年々増えています。
- 普及活動: 里親募集や制度の普及に関する活動が行われています。

”里親って?カフェ”など里親についての説明会もやっています。私もショートステイ里親として里親について知りたいという皆さんの質問にお答えしたりしています。アットホームで楽しい会ですので、ぜひお気軽にご参加ください。
里親に興味がある方は、🔍里親って?カフェで検索してみてください。
- 里親への支援: 研修や相談体制を整え、里親が安心して活動できるようにしています。

里親同士で交流、意見交換会ができる里親カフェ、基礎研修やステップアップ研修などがあり、里親としての知識経験も広がりますが、自分の子育ての参考になることもあるので、できるだけ参加するようにしています。
よくある質問
Q.何歳のお子さんが来るの?
- 預かる子どもの年齢: 0歳から18歳までの子どもを預かります。

我が家は実子が8歳なので、8歳より小さいお子さんしかショートステイに来ていません。引き受けるお子さんの年齢や性別もショートステイ里親登録時に希望が出せます。乳児さんの依頼しか受けていない里親さんもいます。
Q.依頼は何日前に来ますか?
- 依頼の連絡:だいたい2週間前には連絡があります。

私は当日の依頼が1度だけありました。午後からショートステイの引き受けできませんか?とその日の午前中に連絡がありました。自宅の近くでの迎え入れ、ちょうど予定がなかったこともありお引き受けしました。
普段は1ヶ月〜2週間前の相談が多いです。ご家族の突然の入院や、引き受け予定の里親さんがインフルエンザになった場合など緊急時は仕方ないですよね。
もちろんすでに予定が埋まってる場合など、ショートステイの引き受けが困難な場合は断ることができます。
Q.里親を始める時には何が必要?
- 準備するもの: 子どもの着替えやおむつ、ハブラシなどは保護者が準備し、その他の備品は里親への貸し出し支援があります。

ベビーカーやチャイルドシートは里親への貸し出し品があります。哺乳瓶用の消毒液、沐浴用のベビーバスは自分で購入しました。子どもが小さい時に使っていたベビー布団、スタイ、抱っこ紐、おねしょシーツなどは今も活躍しています。
Q.保護者とは直接連絡取るの?
- 保護者との連絡: 里親と保護者は直接連絡を取りません。

トラブル防止のため、里親と保護者が直接連絡を取ることはありません。里親が保護者に連絡を取りたい時は、施設の方に連絡して保護者の方へ伝えていただきます。
保護者さんのご自宅に子どもさんをお迎え、送りに行く時に顔を合わせ、お子さんの体調や状況などをお話することがありますが、その場合は施設の方も同行します。
- 緊急時の対応: 緊急事態にはSOSセンターが24時間対応します。

ショートステイ中にお子さんがケガをしたり、病気になったなど緊急の場合でも電話やLINEで連絡が取れるようになっています。こういう時はどうしたらいいの?という時も連絡相談すると専門的な知識と経験から、的確なアドバイスをもらえるので安心です。
サポート体制
- 交流機会: 福岡市では里親同士の交流や相談機会が設けられています。

里親カフェや里親会(おむすび会、つくしんぼ会)などがあり、里親同士の交流会が行われています。キャンプやバーベキュー、地引網などさまざまなイベントを企画し、里親同士だけでなく、養子縁組された里子ちゃん同士も繋がりを持てるようにしているそうです。
- 共同プロジェクト: 「みんなで里親プロジェクト」などの参加が可能です。
- 行政とNPOの連携: 行政、NPO、大学などが協力して支援体制を築いています。
- 定期的な研修: 定期的な研修や更新プログラムが提供されます。

年に数回研修会や勉強会があります。必ず参加すべきものではありませんが、里親どうしで意見交換したり、情報共有できたりと学びが多く、私は出来るだけ参加するようにしています。
まとめ
ショートステイ里親は、保護者の病気や仕事、家庭の事情などで一時的に子どもの世話ができない場合に、短期間子どもを預かる制度です。子どもたちが安心して過ごせるよう、家庭的な環境を提供することを目的としています。利用する際は、自治体の児童相談所に相談し、必要書類の提出や面談などを経て手続きが行われます。急な事情にも対応できる心強い支援制度として、多くの家庭に活用されています。
ショートステイ里親制度は、子どもにとっても保護者にとっても安心の選択肢です。まずはお住まいの地域の相談窓口に問い合わせてみてください。
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