これから里親になりたい方必見!福岡市ショートステイ里親が語る実体験記

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福岡市ショートステイ里親として活動を始めて3年。これまでに20組以上の子どもたちを我が家でお預かりしてきました。最初は緊張の面持ちで玄関に立つ小さな姿。別れる際の母親との涙。そして数日後には笑顔で「また来てもいい?」と言ってくれる瞬間—。そんな小さな出会いと別れを繰り返す中で、私自身も気づかされ、成長させられてきたように思います。

里親というと「子どもを養子にする人」というイメージを持たれがちですが、ショートステイ里親は少し違います。保護者の方が仕事や体調不良、家族の介護などで一時的に子育てが難しくなったとき、数日間だけ子どもを預かるサポート役です。「もう限界…」と追い詰められる前に、気軽に利用してほしい福岡市の素晴らしい子育て支援制度の一つです。

このブログでは、制度を利用する側ではなく、「受け入れる側」の視点から、ショートステイ里親の日常や喜び、時には戸惑いや工夫についてありのままにお伝えしていきたいと思います。これから里親を検討される方の参考になれば嬉しいですし、子育て中の皆さんには「助けを求めていいんだ」というメッセージが届けば幸いです。

子どもたちはそれぞれに個性豊か。出会うたびに新しい発見があります。彼らから教わることは、私が与えられるものよりもずっと大きいのかもしれません。さあ、小さな靴が並ぶ玄関から始まる、私たちの物語にお付き合いください。

初めてのお預かり体験

事前準備で整えたこと

ショートステイ里親に登録したのが、2023年3月。登録した翌週には依頼があり、翌月の4月から初めてのお預かりでした。お預かりまでの2週間程度で準備したもの、子どもを預かるときに必要なものなどを紹介します。
息子が使っていたものの他に、捨ててしまったりしてなかったものを揃えました。なかにはお子さんがいつも使っているものを貸してくださったり、施設からレンタル可能なものもありますので、ショートステイ里親登録時に確認してください。

【購入したもの】
・ベビーバス
・哺乳瓶用消毒液
・ボトルブラシ
・乳首ブラシ
・赤ちゃん用ボディソープ
・赤ちゃん用無添加洗剤
・防水シーツ
・キルトパッド
・お尻拭き

【息子が使っていたもの】
・ベビー布団
・ベビー毛布
・タオルケット
・おくるみ
・スタイ
・ガーゼハンカチ
・肌着、服(吐き戻し、オムツの漏れなどで洗い替えがないときに使用)
・帽子(お出かけの時に使用)
・おもちゃ
・絵本
・オムツ用ゴミ箱

【レンタル可能なもの】※貸出中でレンタルできない場合もあり
・ベビー食器
・マグ
・ベビーカー
・チャイルドシート
・抱っこ紐

オムツや哺乳瓶、歯ブラシが上記のリストに入ってないのは保護者が準備して持ってきてくれるからです。しかしオムツの枚数が足りない場合、歯ブラシを入れ忘れている場合もあり、そういう時は自分で購入しています。

お子さんのお迎え方法について

お預かり開始日には、以下の6つのパターンでお子さんをお迎えしています。保護者、里親の状況や条件に応じて、コーディネーターさんが最適な方法を選んでくださいます。

パターン①:スタッフ同行での保護者宅訪問

  • スタッフが里親宅に来て一緒に保護者宅へ
  • 保護者と直接会い、荷物確認とお子さんの状況を聞き取り
  • スタッフの車で、お子さんと一緒に里親宅へ帰宅
    主な対象: 運転免許がない、または車を持っていない里親さん

パターン②:公共交通機関での保護者宅訪問

  • 公共交通機関を使って保護者宅へ
  • 保護者と直接会い、荷物確認とお子さんの状況を聞き取り
  • スタッフの車で、お子さんと一緒に里親宅へ帰宅
    主な対象: コーディネーターが時間的に余裕がない場合

パターン③:自家用車での保護者宅訪問

  • 自分の車で保護者宅へ
  • 保護者と直接会い、荷物確認とお子さんの状況を聞き取り
  • お子さんと二人で車で帰宅
    主な対象: 自分で運転できる里親さん

パターン④:事務所での引き渡し(スタッフ送迎)

  • 事務所に集合して保護者と対面
  • 荷物確認とお子さんの状況を聞き取り
  • スタッフの車で、お子さんと一緒に里親宅へ帰宅
    主な対象: 保護者が「自宅訪問を希望しない」「事務所が職場から近い」などの場合

パターン⑤:事務所での引き渡し(自家用車)

  • 事務所に集合して保護者と対面
  • 荷物確認とお子さんの状況を聞き取り
  • 自分の車でお子さんと帰宅
    主な対象: 保護者が「自宅訪問を希望しない」「保護者の職場から事務所が近い」などの場合

パターン⑥:お子さんを里親宅へ

  • お子さんと荷物をスタッフが里親宅へ
    主な対象:緊急性が高い場合、別の里親からの引継ぎなど

初対面の子どもと出会う瞬間

初対面の緊張を理解する
大人でも初対面の人と会うのは緊張するものです。子どもにとっては、初めての人と会う上に保護者と離れることになるため、不安になるのは当然のことです。新しい環境や大人に対して警戒心を持つのは自然な反応なので、無理に距離を縮めようとせず、子どものペースに合わせることが大切です。笑顔で温かく接しながらも、適度な距離感を保ち、プレッシャーを与えないよう心がけましょう。

実子と一緒に迎える効果
私は可能な限り、実子と一緒にお迎えに行くようにしています。子どもがいることで自然と楽しい雰囲気が生まれ、安心感も高まると感じています。私と一緒にいる子どもが笑顔でリラックスしている様子を見ると、新しく来たお子さんも緊張がほぐれ、「一緒に遊ぼう」という気持ちになってくれます。子ども同士が持つ特別な力は本当に不思議で素晴らしいものですね。

感情面への配慮
初めて預かるお子さんは複雑な気持ちを抱えていることが多いものです。お子さんが泣いたり怒ったりしても、その感情を否定せずに話を聞き、しっかりと受け止める姿勢を大切にしてください。特に実親との関係に関わる話題については、慎重に扱う必要があります。

年齢別のお預かり体験

我が家の長男が小学3年生のため、8歳以下のお子さんのみお預かりしています。小学生以上のお子さんは、希望がある場合を除き施設でのお預かりが一般的となっているためです。そのため、私がお預かりするのは乳児期と幼児期のお子さんのみとなります。

乳児期のお子さんをお預かりして

乳児期のお子さんは、ママと離れることでの不安よりも、生理的な欲求で泣くことがほとんどです。「お腹が空いた」「おむつを替えて」「抱っこして」といった基本的なお世話のサインとして泣き声を使っています。

日中のお世話 日中はほとんど寝て過ごすため、ミルクとおむつの確認が主な仕事です。天気の良い日には、ベビーカーに乗せたり抱っこしたりして、一緒にお散歩に出かけることもあります。

夜間のお世話 夜泣きの対応やミルクの時間など、24時間体制でのお世話が必要です。夜間でも安心してお任せください。

幼児期のお子さんをお預かりして

乳児期とは違い、幼児期のお子さんは親との分離を理解するため、不安で泣いてしまうことがあります。

お迎え時の様子
中には「いやー!」と強く拒絶されることも。泣いているお子さんを連れて行く時は、まるで誘拐犯になったような気持ちになってしまいます(笑)。

意外な場面での涙
最初はにこにこと笑顔で手を繋いでついてきて、ママとバイバイしてもうちで楽しく遊んでいたお子さんが、寝る時間になって初めて「ママと一緒に寝られない」ことを実感し、突然泣き出すこともあります。そんな瞬間こそ、寄り添いながら安心できる環境を作ることを心がけています。希望があれば一緒の布団で寝ることもあります。

親御さんとの再会 お迎えの時、親御さんの姿を見つけた瞬間の子どもたちの表情は格別です。安堵の気持ちが顔全体に広がり、離れて過ごした寂しさはすっかり忘れて、楽しかった思い出だけが心に残るようです。

何より嬉しい一言 後日、親御さんからスタッフへ「子どもがまた行きたいと言っています」と伝えられる時が、里親として一番嬉しい瞬間です。短い期間でも、子どもたちにとって安心できる場所になれたのだと実感でき、この活動を続ける大きな励みになっています


どの年齢のお子さんも、それぞれに違った可愛らしさと大変さがあり、毎回新しい発見と学びをもらっています。子どもたちの順応力と前向きさには、いつも驚かされます。最初は不安そうだった子が、帰る頃には笑顔で手を振ってくれる——そんな小さな変化こそが、この活動の醍醐味なのかもしれません。

まとめ

ショートステイ里親として3年間活動してきて、一番強く感じるのは「子どもたちの適応力の素晴らしさ」です。最初は不安そうだった小さな顔が、数日後には笑顔で「また来たい」と言ってくれる。その変化を間近で見られることは、何にも代えがたい喜びです。

里親活動は「与える」より「もらう」ことの方が多い

子どもたちを支えているつもりが、実は私たち家族の方が多くのことを学び、成長させてもらっています。純粋な心で接してくれる子どもたちから教わる「今を大切に生きること」「小さな幸せに気づくこと」は、日常では忘れがちな大切なメッセージです。

保護者の皆さんへ

「子どもを他人に預けるなんて」と罪悪感を持つ必要はありません。一時的に距離を置くことで、親子関係がより良くなることも多いのです。リフレッシュした笑顔のママ・パパに迎えられる子どもたちの表情は、とても幸せそうです。

これから里親を考える方へ

特別な技術や経験は必要ありません。大切なのは「子どもを大切に思う気持ち」だけです。完璧である必要もありません。サポートしてくれるスタッフや里親仲間が一緒にいます。悩み、一緒に笑い、一緒に過ごす時間そのものが、子どもたちにとって価値ある体験となります。

小さな手で私の手を握る姿も、お気に入りのぬいぐるみを抱きしめて眠る姿も、全てが愛おしい思い出です。この活動を通じて出会った子どもたちと保護者の皆さんに心から感謝しています。

福岡市の子育て支援の輪が、もっと多くの家庭に広がることを願っています。一人で頑張りすぎないで、みんなで支え合いながら子育てしていきましょう。

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